建築用コンクリートブロック!A種・B種・C種・D種の違いとは?
エクステリア虎の巻建築用コンクリートブロックには、A種・B種・C種・D種があることをご存じですか?
一般的に建築や外構工事には、建築用コンクリートブロックが使われます。
それぞれ用途によってA種・B種・C種・D種が使われます。
では、A種・B種・C種・D種とはどんなものでしょうか。
今回は 建築用コンクリートブロック・A種・B種・C種・D種の違い についてわかりやすくご紹介します。
〇建築用コンクリートブロックとは何か?
建築用コンクリートブロックとは一体何でしょうか?
建築用コンクリートブロックとは、日本工業規格が認定した建築用のコンクリートブロック資材のことです。
〇建築用コンクリートブロックのまとめ
項目 | 説明 |
①日本工業規格とは何か? | 日本工業規格とは、1949年に工業標準化法を基に制定された国家規格のことです。
制定の目的は、日本の工業標準化の促進です。 日本工業規格は通称「JIS」といわれています。 英表記は「Japanese Industrial Standards」です。 |
➁日本工業規格(JIS)促進の理由 | 日本工業規格(JIS)促進の理由は、国内の工業製品全般における統一したルールを作り、互換性を高めるためです。
日本工業規格(JIS)制定以前の日本の工業製品には、規格がなく、互換性もありませんでした。 そのため、設計上・施工上で組み合わせて使うことができませんでした。 ところが日本工業規格(JIS)に製品のルールを統一することで、スペックが可視化され、異なるメーカーの製品でも組み合わせて使うことができるようになりました。 現在、日本工業規格(JIS)の対象範囲は広がり、国内全ての鉱・工業製品に対して、形状・品質・性能・生産方法・試験方法などのルールが統一化されています。 これによりエンドユーザーは、日本工業規格(JIS)認定の製品であれば、安心して組み合わせて使うことができます。 |
➂建築用コンクリートブロックの日本工業規格(JIS)による認定 | 建築用コンクリートブロックは、日本工業規格(JIS)によって、認定されている規格品です。
次のように認定されています。 ❶規格番号 ・JIS A5406 ※JIS製品のラインナップには「JIS A 0000」「JIS B 0000」「JIS R 0000」などがあり、コンクリートブロックやセメント・工業製品などを表します。 ❷規格名称 ・建築用コンクリートブロック ❸規格名称英語訳 ・Concrete blocks for buildings ❹制定年月日 ・1952年8月25日 ❺最新改正日 ・2019年11月20日 ❻所轄官庁 ・経済産業省 |
④建築用コンクリートブロックの適用範囲 | 建築用コンクリートブロックには、適用範囲が決められています。
主に次の範囲です。 ❶建築物の壁 ❷基礎 ❸塀 ❹門柱 ❺その他の場所 |
⑤建築用コンクリートブロックの種類 | 建築用コンクリートブロックには次の3つの種類があります。
❶空洞ブロック 空洞ブロックとは、本体に空洞を持つコンクリートブロックのことです。 基本的に建築用コンクリートブロックとは「空洞ブロック」のことです。 表面は無化粧で、グレー色です。 主な用途は建築用・外構用の塀・ガーデニングの台や物置の基礎など幅広く使われています。 通称「CB(コンクリートブロック)」と呼ばれています。 ❷型枠状ブロック 型枠状ブロックとは、空洞ブロックの空洞部分がさらに大きく、縦横の穴が繋がるような形状のコンクリートブロックのことです。 見た目は空洞ブロックに似ていますが、穴の大きさが型枠状ブロックの方が大きいです。 主な用途は、基礎・控え壁・塀に使われます。 通称「CP(Concrete Placing)」と呼ばれています。 CPとは、コンクリート打込み用型枠という意味です。 ❸化粧ブロック 化粧ブロックとは、表面に凹凸・リブデザイン・着色がされたデザイン性が高いコンクリートブロックのことです。 主な用途は境界線・土留・花壇の縁に使われます。 |
⑥コンクリートブロックの強度 | コンクリートブロックの強度は、圧縮強さで表します。
圧縮強さはA種・B種・C種・D種に分かれ、若番が弱く、遅番が強いという意味になります。 |
〇A種・B種・C種・D種の違いとは?
こちらでは建築用コンクリートブロックのA種・B種・C種・D種の違いについてわかりやすくご紹介します。
〇A種・B種・C種・D種のまとめ
規格 | 圧縮強さ | スペックの説明 | 主な用途 |
❶A種 | 8N/mm2以上 | ・主原料は軽量骨材
・軽量 ・強度は弱い ・壁には不向き |
・園芸用 |
❷B種 | 12N/mm2以上 | ・主原料は軽量骨材
・軽量 ・吸水性が高い ・屋外での使用には向かない |
・屋内用ブロック |
❸C種 | 16N/mm2以上 | ・主原料は川砂・砕石
・重い ・吸水性は低い ・屋外での使用に向いている |
・外構のブロック塀 |
❹C種防水 | 16N/mm2以上 | ・透水性が300ml/m2・h以下
・吸水性が低い ・屋外や水回りに向いている |
・外構のブロック塀
・建物の水回り |
❺D種 | 20N/mm2以上 | ・混和材にフライアッシュを使用
・空洞ブロック中、最高強度 |
・強度が求められるブロック建築 |
❻D種防水 | 20N/mm2以上 | ・混和材にフライアッシュを使用
・空洞ブロック中、最高強度 ・防水性が高い ・耐久性が高い |
・強度が求められるブロック建築
・水廻りの壁 |
まとめ
今回は 建築用コンクリートブロック・A種・B種・C種・D種の違い についてご紹介しました。
今回のポイントをまとめると次の通りです
〇建築用コンクリートブロックとは、日本工業規格が認定した建築用のコンクリートブロック資材のこと
①日本工業規格とは、1949年に工業標準化法を基に制定された国家規格のこと
➁日本工業規格(JIS)促進の理由は、国内の工業製品全般における統一したルールを作り、互換性を高めるため
➂建築用コンクリートブロックは、日本工業規格(JIS)によって認定されている規格品
④建築用コンクリートブロックは適用範囲が決められている
⑤建築用コンクリートブロックには3つの種類がある
⑥コンクリートブロックの強度は、圧縮強さで表す